・機械学習を用いた新しいゲノム解析手法の研究
2000年代にはゲノムワイド関連解析(GWAS)が活発に行われ、ヒトゲノムの一塩基多型(SNP)などのコモンバリアントと疾患や形質の関連が統計的手法を使って網羅的に評価されてきました。しかしながら、例えば10000人に一人だけが持っている稀な変異(レアバリアント)は従来のGWASでは検出が困難です。
我々は次世代シークエンサーを用いて検出したこれらのレアバリアントに対して機械学習を用いた新たな解析手法の開発・検討を行っています。これによりこれまでに不明であったレアバリアントと様々な疾患の関係性が明らかになることが期待されます。

・人工知能を用いた新しい健康指標の創出
医療の現場では身体診察、血液検査、画像検査など様々な検査が行われます。しかし実際の診療で診断や治療方針の根拠にされているのはその情報の一部であることがあります。たとえば呼吸器内科医は肺に関連する部分に注目し、循環器内科医は心機能に関連する検査結果のみに注目しがちです。
我々は人工知能を用いて、様々な検査データやゲノム情報から、疾患の有無、加齢の程度、将来疾患を発症するリスクなどを推定する新たな健康の指標の創出を目指しています。臨床使用に耐えうる新たなマーカーを作成できれば、健康診断での疾患の早期発見や早期治療介入などへの臨床応用が期待されます。
